「提案資料を作るたびに2〜3時間かかる」「議事録の清書が翌日まで持ち越しになる」――こうした悩みを持つ実務担当者は多いはずです。この記事では、ChatGPTを使った資料作成の具体的な手順と、そのままコピーして使えるプロンプト例を紹介します。ゼロから書く作業をAIに任せ、人間は「確認・修正・判断」だけに集中できる仕組みをつくりましょう。
資料作成に時間がかかる3つの工程
資料作成の時間を計ってみると、「書くこと」より「考えること」に多くの時間がかかっていることに気づきます。具体的には①構成を決めるまでの思考整理、②文章の下書き(たたき台)を用意するまでのライティング、③完成した文章を整形・統一するポストエディット、の3工程がボトルネックになりがちです。
ChatGPTが最も力を発揮するのは①と②です。構成の選択肢を10秒で出し、たたき台を1分で書き上げる。人間がゼロから文章を紡ぐ時間を大幅に削減できます。③の整形も指示次第で自動化でき、最終的に人間がチェックする時間だけ残す運用が理想です。
よくある誤解として「AIに全部任せれば終わり」という期待がありますが、出力をそのまま使うのは精度面でリスクがあります。あくまで「下書き生成→人間が精査→完成」というサイクルを前提に導入するのが現実的です。
- ①構成を決めるまでの思考整理(アジェンダ整理・章立て)
- ②文章のたたき台づくり(ゼロ→60点の状態に持ち込む)
- ③文章の整形・表記統一・要約
構成・たたき台をChatGPTに作らせるプロンプト
提案資料を作る場合、まず「どんな構成にするか」をAIに相談するのが最速のアプローチです。以下のプロンプトをそのままコピーして使ってください。目的・対象・枚数を変えるだけで汎用的に使えます。
【プロンプト例①:提案資料の構成生成】 --- あなたは経営企画のプロです。以下の条件で提案資料の構成(スライドの章立てと各スライドの主な内容)を作成してください。 ・目的:[例:物流部門へのAI導入提案] ・対象読者:[例:経営層・意思決定者] ・枚数の目安:10〜12枚 ・含めてほしい要素:課題提起、解決策の概要、導入効果(数値)、費用対効果、導入スケジュール --- このプロンプトで章立てが出力されたら、続けて「各章を200字程度の文章に展開してください」と追加指示を出すと、たたき台まで一気に完成します。
【プロンプト例②:たたき台の文章化】 --- 以下の箇条書きを、経営層向けの提案資料用に200字程度の説明文へ書き直してください。専門用語には一言補足を入れ、数字は具体的に表記してください。 [箇条書きをここに貼り付ける] --- 自分のメモや会議ノートをそのまま貼り付けると、整った文章に変換してくれます。
議事録をAIで自動要約・整形する流れ
会議後の議事録清書は、頻度が高く時間も取られる代表的な作業です。ChatGPTを使えば、発言メモや文字起こしテキストを貼り付けるだけで、「決定事項・TODO・背景説明」に整理された議事録を数分で作れます。
【プロンプト例③:議事録の整形】 --- 以下は会議の発言メモです。次のフォーマットで議事録を作成してください。 ①日時・参加者 ②決定事項(箇条書き) ③TODO(担当者・期限付き) ④議論のポイント(3〜5行で要約) [発言メモをここに貼り付ける] --- 文字起こしツール(例:Notta、Otter.ai)と組み合わせると、音声データ→テキスト→整形議事録まで一気通貫で処理できます。
注意点として、会議音声や発言内容には個人情報・機密情報が含まれることがあります。外部LLMサービスへの貼り付け可否は、後述する社内ルールを先に決めておくことが重要です。
そのまま使わず精度を上げるコツ
ChatGPTの出力は「60点のたたき台」と考えるのが正しい使い方です。そのまま提出できるケースは少なく、必ず人間の目で確認・加筆が必要です。精度を高めるための代表的なコツは以下の通りです。
最も効果的なのは「背景情報を先に渡す」ことです。「この提案の目的は〇〇で、読む相手は〇〇の立場の人です」と文脈を与えると、トンマナや説得力が格段に上がります。逆に、条件なしで「資料を作って」と投げると、汎用的すぎて使いにくい文章になります。
出力に違和感があるときは「もっと端的に」「数字を必ず入れて」「箇条書きに直して」など追加指示を重ねてください。1回で完成を求めず、対話形式で仕上げるほうが精度が高まります。UniGainの支援実績では、このサイクルを社内に定着させた企業がExcel集計・資料作成の自動化で月40時間削減を実現しています。詳しくは事例ページをご参照ください。
- 背景・目的・対象読者を最初に伝える
- 一度で完成を求めず、追加指示で磨く
- 数字・固有名詞は必ず人間が確認・補完する
- 出力を社内テンプレートのフォーマットに合わせて修正する
PowerPoint・Wordへの落とし込みと仕上げの手順
ChatGPTの出力はテキスト形式のため、最後はPowerPointやWordへ落とし込む工程が必要です。基本は「章立て=スライドタイトル」「各章の説明文=本文」という対応で転記していきます。転記の前に「各スライドのタイトルを15字以内、本文を3行の箇条書きに変換してください」と追加指示を出しておくと、スライドにそのまま貼れる形に整い、手作業での再編集がほとんど不要になります。
Microsoft 365のCopilotを使える環境なら、Wordで作った下書きからPowerPointのスライドを直接生成することも可能です。社内テンプレートのデザインを適用したまま変換できるため、テキストからスライドへの移し替えの手間をさらに減らせます。こうしたツールの料金は月額数千円程度からが目安なので、資料作成の頻度が高い部署から試す価値があります。
仕上げの段階では、①数字・固有名詞・日付が原資料と一致しているか、②1スライド1メッセージになっているか、③文章のままより図表にした方が伝わる箇所がないか、の3点を人間が確認します。例えば従来2〜3時間かかっていた提案資料なら、構成10分・たたき台20分・転記と仕上げ40分の計70分前後が現実的な目安となり、確認の質を落とさずに作成時間を半分以下に圧縮できます。
- タイトル15字以内・本文3行の箇条書きに変換してから転記する
- 数字・固有名詞・日付は原資料と突き合わせて確認する
- 1スライド1メッセージを守り、詰め込みすぎを避ける
社内にChatGPT活用を広げるときの注意点とルール
個人で試して効果を実感したら、次のステップは社内展開です。ただし、ルールなしで全員が使い始めると、情報漏洩リスクや品質のばらつきが生じます。最低限、次の3点を文書化してから始めてください。
①入力禁止情報の明確化:顧客名・契約金額・個人情報など、外部サービスに入力しない情報を列挙します。②出力の確認フロー:AIの出力を最終版として使う前に、必ず担当者がファクトチェックするルールを設けます。③使ってよいツールの指定:ChatGPT(有料版)、Microsoft Copilot、会社の内部LLMなど、情報セキュリティ基準を満たしたツールのみを使用可能にします。
こうしたルール整備を「誰かが空き時間にやる」状態にしておくと、結局定着しないまま終わります。AI活用の推進担当者を1名決め、月1回の社内共有会を設けるだけでも浸透速度が変わります。ルール設計から使える状態まで整えることが難しい場合は、AI導入支援サービスを活用することも選択肢の一つです。
- 入力禁止情報(個人情報・機密情報)を明文化する
- AI出力を最終版にする前の確認フローを定める
- 使用ツールをセキュリティ基準で絞り込む
- 推進担当者を1名決め、定期的な社内共有を実施する
よくある質問
Q無料版のChatGPTでも資料作成に使えますか?
基本的な文章生成・構成案の作成は無料版でも可能です。ただし、有料版(ChatGPT Plus)はモデルの精度が高く、長文出力の安定性も優れているため、業務で継続利用するなら月20ドルの有料版をおすすめします。Copilot(Microsoft 365付属)は既存のOffice環境に直接統合できるため、Word・PowerPointでの資料作成との親和性が高い選択肢です。
Qプロンプトが思うように機能しない場合はどうすればよいですか?
まず「目的・対象・制約条件」の3点が伝わっているか確認してください。「資料を作って」より「〇〇の提案をする社長向け資料を10枚で作って」のように具体化するだけで精度が大きく上がります。それでも望む出力にならない場合は、理想の文章例を1〜2文添えて「このトーンで書いて」と指示すると効果的です。
QChatGPTを使った資料作成を外部に相談したい場合はどこに頼めますか?
「AIを導入したいが、どこから始めればいいかわからない」「社内にルールを作って全員に使わせたい」という場合は、AI導入支援の専門業者に相談するのが最短ルートです。ツール選定・プロンプト設計・社内研修・運用ルール策定まで伴走してもらえるサービスを選ぶと、定着までのスピードが変わります。
UniGain