AI活用

名古屋・愛知でAI導入に使える補助金まとめ|2026年度の申請の進め方

公開:2026/06/27読了目安 約9分執筆:株式会社UniGain
名古屋・愛知でAI導入に使える補助金まとめ|2026年度の申請の進め方のイメージ

名古屋・愛知でAIを導入したい中小企業にとって、補助金は初期費用の負担を大きく軽くする心強い味方です。ただ、国・愛知県・名古屋市で制度が分かれ、対象になる費用やスケジュールも年度で変わるため、どれを使えるのか分かりにくいのが実情です。この記事では、2026年度に名古屋・愛知の中小企業がAI導入に使える主な補助金と、対象になる費用・ならない費用、申請を採択につなげる進め方を、最新の事実にもとづいて整理します。

名古屋・愛知でAI導入に使える補助金の全体像

AI導入に使える補助金は、大きく国の制度・愛知県の制度・名古屋市の制度の三層に分かれます。まず代表的なのが国の『デジタル化・AI導入補助金』(2026年度に旧IT導入補助金から名称変更)で、AI機能を持つソフトウェアやサービスの導入費を補助します。

これに加えて、設備投資をともなう本格的な自動化なら国の『ものづくり補助金』、地域では愛知県や名古屋市の独自の補助制度が選択肢になります。自社の取り組みが『ソフト中心か、設備投資をともなうか』で、向く制度が変わります。

複数の制度を同じ経費に重ねて使うことは原則できません。まず自社のやりたいことを一つ決め、それに最も合う制度を選ぶのが出発点です。

デジタル化・AI導入補助金2026(旧IT導入補助金)はいくら?|最大450万円・補助率1/2

中小企業がAIツールを導入するとき、まず候補になるのがこの制度です。2026年度から名称が『デジタル化・AI導入補助金』に変わり、生成AIを活用したシステムなども補助対象として明確化されました。ただし、AI機能があれば自動で対象になるわけではなく、支援事業者がAIツールとして登録・申請したものが対象です。

通常枠の補助額は、業務プロセスを1つ以上改善する場合が5万円〜150万円未満、4つ以上改善する場合が150万円〜450万円以下です。補助率は対象経費の2分の1が基本で、賃上げ要件を達成すると3分の2以内まで上がります。このほかインボイス枠、セキュリティ対策推進枠、複数者連携デジタル化・AI導入枠があり、通常枠と同時に申請できる枠もあります。

2026年度の締切は年6回に分かれています。1次が5月12日、2次が6月15日、3次が7月21日、4次が8月25日、5次が9月29日、6次が10月30日で、いずれも当日17時で締め切られます(複数者連携枠のみ別日程)。準備が間に合わず1次を見送った企業でも、年度後半の回で申請できます。

注意点として、過去にこの補助金の交付決定を受けた事業者には賃上げ要件が追加されました。3年間の事業計画を作り、従業員1人あたり給与支給総額の年平均成長率を『物価安定の目標』に1.5%上乗せした水準以上に引き上げる、という内容です。満たせないと採択されない、あるいは後から返還を求められる場合があるため、自社で達成できるかを事前に確かめておく必要があります。最新の補助率・上限・締切は必ず公式の公募要領で確認してください。

申請枠補助額補助率
通常枠(1プロセス以上)5万円〜150万円未満1/2(賃上げ要件達成で2/3以内)
通常枠(4プロセス以上)150万円〜450万円以下1/2(賃上げ要件達成で2/3以内)
インボイス枠(インボイス対応類型)ソフトウェア最大350万円2/3以内(50万円以下は3/4以内、小規模事業者は4/5以内)
セキュリティ対策推進枠5万円〜150万円1/2以内(小規模事業者は2/3以内)

名古屋市・愛知県の独自の補助制度はいくら?

名古屋市の制度は『中小企業デジタル活用支援補助金』です。2026年度(令和8年度)は4月15日から受付が始まり、通常枠は上限100万円、賃上げ枠は上限150万円、ロボット枠は上限500万円で、補助率はいずれも2分の1です。デジタル技術を使った販路開拓や生産性向上の取り組みが対象で、ロボットや自動化装置なども含まれます。

この名古屋市の制度では、申請の前に名古屋市新事業支援センターまたは名古屋商工会議所でデジタル活用に関する相談を受けることが要件になっています。ロボット枠は新事業支援センターでの相談が必須です。相談は事前予約制で、思い立ってすぐ申請とはいきません。予約から逆算して動くことが大切です。

愛知県の制度は『中小企業デジタル化・DX促進補助金』で、限度額200万円、補助率は中小企業が2分の1以内、小規模企業者が3分の2以内です。ただし2026年度の受付は、県が5月12日、名古屋市の通常枠・賃上げ枠が6月1日で終了しました。年度後半に検討を始めた場合、実際に間に合うのは国の制度です。県・市の枠は次年度の公募開始に合わせて動く前提で計画してください。自社の所在地が名古屋市か県内他地域かで使える制度が変わる点にも注意が必要です。

制度上限額補助率2026年度の受付
国:デジタル化・AI導入補助金最大450万円1/2(賃上げ要件達成で2/3以内)締切は年6回・10月30日が最終回
名古屋市:中小企業デジタル活用支援補助金通常枠100万円/賃上げ枠150万円/ロボット枠500万円1/24月15日開始・通常枠と賃上げ枠は6月1日で終了
愛知県:中小企業デジタル化・DX促進補助金200万円1/2以内(小規模企業者は2/3以内)3月6日〜5月12日で終了

補助金で導入できるAI業務効率化ツール・AIエージェントの費用はいくら?

愛知・名古屋の中小企業が補助金で導入しやすいAIは、大きく三段階に分かれます。まず資料作成・メール文面・議事録づくりを助ける汎用の生成AI(ChatGPTやGeminiなど)、次に受発注や問い合わせの一次対応を自動化するAIエージェント、最後に自社の業務フローに合わせて設計する専用システムです。補助対象になるのは、支援事業者がAIツールとして登録・申請したものに限られる点は前述のとおりです。

費用の目安は、汎用の生成AIが1人あたり月数千円程度、ノーコードで組むAIワークフロー型が月数千〜数万円、自社業務に合わせて設計するAIエージェント構築型が初期数十万円+月額十数万円が一つの相場です(2026年時点、導入範囲やツールで幅があります)。費用の内訳や従業員規模別の予算の立て方はAI導入の費用相場で詳しく解説しています。補助金は初期費や導入費の一部を補助するため、この負担を実質的に圧縮できます。

実際の支援現場でよくあるのは、いきなり高機能なAIエージェントを入れて使いこなせず止まってしまうケースです。効果が見えやすい定型業務(Excel集計や資料作成)から小さく始めるのが失敗しないコツで、UniGainのAI導入支援は月10万円〜が目安です。Excel集計・資料作成の自動化で月40時間・年間約60万円を削減した例もあり、こうした投資対効果を試算したうえで補助金を当てはめると判断しやすくなります。詳しい事例は事例ページで紹介しています。

種類主な用途費用の目安(2026年時点)
汎用の生成AI(ChatGPT/Gemini等)資料作成・メール文面・議事録づくり1人あたり月数千円程度
ノーコードのAIワークフロー定型作業の自動連携・データ整形月数千〜数万円
AIエージェント(構築型)問い合わせの一次対応・受発注や見積の下書き初期数十万円+月額十数万円
専用システム自社フローに合わせた本格的な自動化数十万〜数百万円

対象になる費用・ならない費用

補助の対象になりやすいのは、AIを含むソフトウェアの導入費、クラウドサービスの利用料、関連する設備やロボットの導入費などです。一方で、対象外になりやすい費用もあり、ここを誤解すると見込みが狂います。

たとえば名古屋市や愛知県の制度では、AI研修の受講料や外部講師への謝礼は対象外とされ、補助の中心はソフトや設備の導入費です。AIを『使いこなす人を育てる費用』と『仕組みを導入する費用』は分けて考える必要があります。

AI研修の費用は、補助金とは別の枠組みで手当てします。厚生労働省の人材開発支援助成金には「事業展開等リスキリング支援コース」があり、同省が公開する活用事例集でもデジタル・DXに伴う訓練が対象事例として整理されています。窓口は都道府県労働局とハローワークで、愛知なら愛知労働局が相談先です。

この助成金は令和8年4月8日改正のように要件の見直しが入るため、訓練計画を出す前に最新の支給要領を確認してください。ツールを入れる費用は補助金、人を育てる費用は雇用関係の助成金、と受け皿が分かれていると分かっていれば、AIエージェントの導入費と社内研修費をまとめて見積もらずに済みます。

区分
対象になりやすいAI・ソフトの導入費/クラウド利用料/設備・ロボット導入費
対象外になりやすい研修受講料/外部講師の謝礼/汎用の通信費・備品

名古屋でIT導入補助金(現デジタル化・AI導入補助金)を申請する流れは?

補助金は『申請すれば必ずもらえる』ものではなく、事業計画の中身で採否が決まります。採択されやすくするコツは、AI導入で何の課題をどれだけ改善するのかを、数字で具体的に示すことです。『生産性向上』のような抽象論ではなく、削減できる作業時間や金額に落とし込みます。

国の制度は、申請者と支援事業者が共同で電子申請する仕組みです。事前にGビズIDプライムを取得し、情報セキュリティ対策の自己宣言であるSECURITY ACTIONを行ったうえで、支援事業者から招待を受けて申請マイページを作ります。手続きを外部へ丸投げする申請代行は制度上認められておらず、GビズIDプライムを預けての代理申請も禁止されています。

実際の支援現場で事故が多いのは、支払いのタイミングです。交付決定の通知より前に契約・発注・支払いをしたものは補助対象外になります。導入を急いで先に発注すると、その分は全額自己負担です。交付決定を受けてから契約し、導入後に事業実績報告、その後の導入効果報告まで提出して補助金が支払われます。

進め方は、①使いたい制度を一つ選ぶ→②(市の制度なら)事前相談を予約する→③対象経費と効果を見積もる→④締切から逆算して書類を準備、という順番が現実的です。GビズIDプライムの発行にも日数がかかるため、締切の回を決めたらIDの取得から先に着手すると余裕が生まれます。

名古屋でIT導入補助金(デジタル化・AI導入補助金)を相談できる会社はどこ?

国のデジタル化・AI導入補助金は、申請者と「IT導入支援事業者」が共同で電子申請する仕組みのため、相談相手はこの支援事業者になります。名古屋で探すときは、事務局が運営する公式ポータルの「ITツール・IT導入支援事業者検索(コンソーシアム含む)」で、対応希望エリアを愛知県に絞り込むのが確実です。事業者名やツール名、支援枠からも絞り込めます。

混同しやすいのが、公的な相談窓口と支援事業者の違いです。名古屋市新事業支援センターと名古屋商工会議所は、名古屋市の中小企業デジタル活用支援補助金で必要な支援内容確認書(様式第5号)を発行する相談窓口で、国の制度の申請パートナーではありません。国の制度を使うなら、登録された支援事業者を自社で選ぶ必要があります。

事業者選びで迷ったときに確認したいのは三点です。導入したいツールがその事業者の登録ツールに入っているか、見積書でツール代と導入支援費の内訳が分かれているか、交付決定の前に契約や支払いを迫ってこないか。この三つで、その後の進めやすさがかなり変わります。

交付決定より前に契約・支払いをしたものは補助対象外になるため、そこを急がせる相手は避けたほうが安全です。申請代行は制度上認められていないので、書類を丸ごと任せられる先を探すのではなく、削減できる作業時間や金額を一緒に詰められる相手かどうかで選びます。

相談先対応する制度そこでできること
IT導入支援事業者(公式ポータルで検索)国:デジタル化・AI導入補助金ITツールの提案、共同での交付申請、申請マイページへの招待
名古屋市新事業支援センター/名古屋商工会議所名古屋市:中小企業デジタル活用支援補助金申請要件のデジタル活用相談、支援内容確認書(様式第5号)の発行

補助金を使うときの注意点

補助金は後払いが原則です。多くの制度では、先に自社で費用を支払い、実績を報告してから補助金が振り込まれます。手元資金が一時的に必要になるため、資金繰りも合わせて計画しておくと安心です。

採択されたら終わり、でもありません。導入後に効果報告(実績報告)や、一定期間の事業継続が求められる制度が多く、賃上げなどの要件を満たせないと返還を求められることもあります。申請時に約束した内容は、運用フェーズでも守る前提で計画しましょう。

そしてもっとも大切なのは、補助金ありきで進めないことです。本来やるべきAI導入を、自社の課題解決の手段として決め、そこに使える補助金を当てはめる順番が健全です。補助金が取れなくても投資回収できる計画にしておくと、判断を誤りません。

よくある質問

Q名古屋でAI導入に補助金を使うなら、まず何から始めればいいですか?

使いたい制度を一つ選ぶことから始めます。ソフト中心なら国のデジタル化・AI導入補助金、設備投資をともなうならものづくり補助金や市・県の制度が候補です。名古屋市の制度は事前相談が要件で、2026年度の通常枠・賃上げ枠は6月1日で受付を終えました。年度後半に動くなら、締切が年6回ある国の制度が現実的です。

QAI研修の費用は補助金の対象になりますか?

名古屋市や愛知県の制度では、研修の受講料や外部講師への謝礼は対象外とされることが多く、補助の中心はソフトや設備の導入費です。制度ごとに線引きが違うため、最新の公募要領で対象経費を必ず確認してください。

Q補助金の締切や金額は年度で変わりますか?

変わります。2026年度はIT導入補助金がデジタル化・AI導入補助金に名称変更され、2回目以降の申請に賃上げ要件が追加されました。締切は年6回に分かれ、2026年度は10月30日17時が最終回です。補助率・上限・締切は公式の公募要領で最新情報を確認してください。