「サイトはあるけれど問い合わせが来ない」という声は、BtoB企業から特に多く聞かれます。BtoBの購買では意思決定者が複数存在し、比較検討期間も長いため、サイト内のページ構成とコンテンツの質が成否を分けます。この記事では、BtoBサイトに最低限必要なページの種類から、サービスページ・導入事例・FAQの具体的な作り方、公開後の改善サイクルまでを順を追って解説します。
BtoBサイトに必要な基本ページの構成を整える
BtoBサイトは「会社を選ぶ根拠を提供する場所」です。担当者が社内稟議を通すために必要な情報を、探しやすい場所に置くことが最初の設計課題になります。ページが足りないと検討途中で離脱され、多すぎると目的のページにたどり着けなくなります。
最低限整えるべきページは、トップページ・サービスページ・会社概要・導入事例・FAQ・お問い合わせの6種類です。この6ページが揃っていない場合、検索からの流入があっても問い合わせに転換しにくい構造になっています。特に中小企業のサイトでは「お問い合わせ」だけが置いてあり、選定の根拠となる情報が薄い状態が多く見られます。
トップページの役割は「このサイトが自分に関係あるか」を3秒で伝えることです。ターゲット業種・課題・解決できること・実績数値をファーストビューに凝縮し、各詳細ページへ誘導する導線を設けます。デザインの前に「誰に何を伝えるか」の言語化を先に行うことが、構成を考える上での優先順位です。
- トップページ:ターゲット・課題・解決策・実績をファーストビューに集約
- サービスページ:提供内容・価格目安・導入ステップを1ページにまとめる
- 会社概要:代表者情報・所在地・設立年・資本金で「信用」を担保する
- 導入事例:課題→施策→結果の3点セットで具体性を出す
- FAQ:商談でよく聞かれる質問を先回りして掲載する
- お問い合わせ:入力項目を絞り、確認画面を省略してCV率を上げる
| ページ | 主な役割 | 最低限必要な情報 |
|---|---|---|
| トップページ | 3秒で関連性を伝える | ターゲット・課題・実績数値・CTA |
| サービスページ | 発注を後押しする根拠 | 成果数値・作業範囲・価格目安 |
| 会社概要 | 信頼性の担保 | 代表者・所在地・設立年・資本金 |
| 導入事例 | 不信感の補完 | 課題→施策→結果の3点 |
| FAQ | 問い合わせ前の疑問解消 | 価格・対応範囲・導入期間 |
| お問い合わせ | CV獲得 | 4項目以内・確認画面省略 |
サービスページで伝えるべき情報と書き方の手順
サービスページは「この会社に頼むと何がどう変わるか」を具体的に示すページです。多くのBtoBサイトでは「〇〇サービス提供中」という概要だけが書かれており、発注側が意思決定に使える情報が不足しています。読者が求めているのは、自社の課題がどのように解決されるかのイメージと、それを裏付ける根拠です。
サービスページを書く順番は、①対象となる課題・業種を明示する、②提供できる具体的な成果を数字で示す、③サービスの中身(何をどこまでやるか)を手順で説明する、④価格の目安または問い合わせまでのフローを記載する、の4ステップが実務上整理しやすい構成です。価格は「〇万円〜」という下限目安だけでも掲載することで、予算ミスマッチによる問い合わせを事前に防ぎ、確度の高い接触につながります。
文章を書く際は「お客様に最適な〜」「高品質な〜」といった抽象表現を避けます。代わりに「月40時間の集計作業を自動化」「LP改善でCV率1.2%から2.8%に改善」のように、変化の前後を数値で表現します。実際に当社の事例でも、サービスページに具体的な実績数値を加えた改修後に問い合わせ数が増加しており、数字の有無がページの信頼性に直結することが確認できています。
- 課題・対象業種:「どんな会社向けか」を冒頭に明記する
- 成果の数値:改善前後の変化を具体的な数字で示す
- 作業範囲:何をどこまで担当するか、範囲外も含めて記載する
- 価格の目安:最低価格帯だけでも掲載し予算ミスマッチを防ぐ
- 導入ステップ:問い合わせから納品までの流れを3〜5ステップで示す
導入事例とFAQがCVに与える影響と作り方
BtoBの購買では「実績のある会社かどうか」が最重要判断基準のひとつです。導入事例ページは、サービスページへの不信感を補完し、問い合わせの最後の一押しになります。事例が1件も掲載されていないサイトと、3件以上掲載されているサイトでは、問い合わせ転換率に目に見える差が生まれます。
導入事例は「課題→施策→結果」の3点構成で書くことが基本です。課題パートでは「月次レポート作成に毎回12時間かかっていた」のように、読者が共感できる具体的な状態を書きます。施策パートでは何をどう変えたかを説明し、結果パートでは「作業時間を月40時間削減し、年間60万円のコスト削減を実現」のような数値で締めます。クライアントの企業名を出せない場合も、業種・規模・課題の概要だけで事例として成立します。
FAQは商談前に担当者が感じる「聞きにくい疑問」を先回りして解消するコンテンツです。「価格はどのくらいかかりますか」「社内に専門知識がなくても大丈夫ですか」「導入までどのくらい時間がかかりますか」といった質問は、商談で必ず出てきます。これらをサービスページかFAQページに掲載しておくことで、問い合わせ前のハードルが下がり、CV率の改善に直結します。FAQの回答は1問につき120〜200字を目安に、簡潔かつ具体的にまとめます。
- 課題:読者が共感できる具体的な状態(時間・コスト・頻度)で書く
- 施策:何をどの順序で実施したかを簡潔に記載する
- 結果:削減時間・コスト・CV率など数値で変化を示す
- FAQ掲載推奨テーマ:価格・対応範囲・導入期間・社内体制・契約形態
SEO記事とサービスページの役割分担を明確にする
BtoBサイトでよくある失敗が、サービスページとSEO記事の役割を混同していることです。サービスページは「発注を検討している人が読む」ページであり、SEO記事は「課題を認識したばかりの人が検索で流入してくる」ページです。この2つを同じ構成で作ると、どちらの目的も果たせない中途半端なコンテンツになります。
サービスページは検索エンジン向けに最適化するよりも、すでに自社を知っている、または比較検討中の読者に向けて「選ぶ根拠」を丁寧に伝えることを優先します。一方、SEO記事は「BtoBマーケティング 始め方」「ホームページ 問い合わせ 増やす方法」のような情報収集段階のキーワードで流入を増やし、そこからサービスページや問い合わせへ誘導するファネル上流の役割を担います。SEO記事の具体的な戦略については別記事で詳しく解説しています。
内部リンクの設計も役割分担の一部です。SEO記事の末尾や本文中からサービスページへの導線を設けることで、情報収集段階の読者を比較検討段階へ押し上げることができます。逆に、サービスページから関連するSEO記事へのリンクを設けると、離脱ページが増えるだけになるケースがあるため、サービスページからの誘導先は「問い合わせ」か「事例ページ」に限定するのが基本方針です。
公開後に改善するべきポイントと優先順位の付け方
サイトを公開して終わりにするのではなく、3か月ごとに数値を確認してページを改善するサイクルを回すことが、BtoBサイトで成果を出し続けるために必要です。改善の前提として、Googleサーチコンソールでどのページが何のキーワードで表示されているか、Googleアナリティクスでどのページで離脱が多いかを把握します。
改善の優先順位は、①流入はあるが問い合わせにつながっていないページ、②検索表示回数は多いがクリック率が低いページ、③直帰率が高く滞在時間が短いページ、の順に取り組むことが効果的です。①はCTAボタンの文言・配置・ページ内の導線改善が有効です。②はタイトルタグやメタディスクリプションの見直しで改善できます。③はコンテンツ自体の情報量・読みやすさの改善が必要なケースが多いです。
改善を繰り返す中で「何を変えたらどう変わったか」を記録しておくことが重要です。変更内容と前後の数値をシンプルな表で管理するだけで、次の改善に使える知見が蓄積されます。当社では検索流入1.8倍を実現した案件において、公開後3か月間の改善サイクルが最も成果に貢献しています。改善の具体的な手順については、ホームページリニューアルの改善事例を参照してください。
- サーチコンソール:表示キーワード・CTR・掲載順位を月1回確認
- アナリティクス:ページ別の直帰率・滞在時間・CV貢献度を把握
- 優先①:流入あり・CV少ないページのCTA・導線を改善
- 優先②:表示回数多・CTR低いページのタイトル・説明文を修正
- 優先③:直帰率高いページのコンテンツ量・構成を見直す
よくある質問
Qサービスページは1ページにまとめるべきですか、複数に分けるべきですか?
提供サービスが2〜3種類なら1ページにまとめ、タブや見出しで切り替える構成が管理しやすくなります。サービスが4種類以上になる場合は、サービス一覧ページと個別サービスページに分けると、検索ユーザーにとって目的のページにたどり着きやすくなり、CVにも貢献します。まずは1ページから始め、問い合わせが増えてきたら分割を検討する順序が現実的です。
Q導入事例は何件から掲載すればよいですか?
1〜2件でも掲載する価値はありますが、3件以上になると「実績が継続している会社」という印象を与えやすくなります。掲載できる件数が少ない場合は、1件の事例を課題・施策・結果・担当者コメントで丁寧に書くことで情報量を補えます。クライアント名を出せない場合でも、業種・従業員規模・課題の概要を記載するだけで事例として機能します。
Qお問い合わせフォームの入力項目はどこまで絞ればよいですか?
会社名・氏名・メールアドレス・お問い合わせ内容の4項目が基本です。電話番号・部署名・予算などを追加するほど送信率が下がる傾向があります。初回接触では最低限の情報を取り、詳細は商談で確認するという設計にすることで、CV率が上がりやすくなります。実際に入力項目を4項目に絞った改修で問い合わせ数が改善した事例があります。
UniGain