ChatGPTの有料プランで、録音した音声ファイルをそのままアップロードし、文字起こし・要約・内容への質問ができるようになりました。無料プランは対象外です。会議や商談の録音を別の文字起こしツールに通さず、ChatGPTの中で議事録の下書きまで進められます。この記事では、ITmediaの報道とOpenAIのヘルプで確認できた事実をもとに、対応形式と上限、議事録にする手順、機密情報の扱いとプラン選びの注意点を整理します。
ChatGPTの音声ファイル対応で何が変わった?発表の要点
ITmedia AI+によると、米OpenAIは10月9日(日本時間)までに、ChatGPTが音声ファイルのアップロードに対応したと発表しました。録音データを会話に添付すると、文字起こし、要約、内容についての質問ができます。対象は有料ユーザーで、OpenAIのヘルプではEnterpriseを含む有料の契約とワークスペースで使え、無料プランでは現時点で使えないと案内されています。
対応形式はWAV、MP3、M4A、AAC、FLAC、OGG、PCMのほか、音声だけを含むWebMとMP4です。1ファイルの上限は512MBで、録音時間の上限は示されていません。長い録音は分割して処理されることがあり、非常に長いものはタイムアウトする場合があるとされています。映像を含むMP4は音声ファイルとして扱われない点に注意が必要です。
OpenAIは、文字起こしには誤りが含まれる場合があり、話者の識別も不確かな場合があると注意書きをしています。精度は言語によって差が出る可能性があるとも説明しています。日本語の精度について個別の発表は確認できていないため、自社の録音で試してから業務に組み込むのが安全です。
- できること: 音声ファイルの文字起こし・要約・内容への質問
- 対象: 有料の契約とワークスペース(Enterpriseを含む)。無料プランは対象外
- 形式: WAV・MP3・M4A・AAC・FLAC・OGG・PCM、音声のみのWebMとMP4
- 上限: 1ファイル512MB。録音時間の上限は非公表、長時間はタイムアウトの可能性
ChatGPTだけで会議の録音から議事録作成までできる?
結論から言うと、有料プランならChatGPTだけで録音から議事録の下書きまで完結できます。方法は2つあります。1つは今回対応した音声ファイルのアップロードで、スマートフォンやICレコーダーで録った音声を後から添付します。もう1つはmacOS版デスクトップアプリの録音モード(Record)で、会議中にその場で録音し、停止すると文字起こしと要約ノートが作られます。
録音モードは2025年7月にPlusユーザーにも開放されたとMacRumorsなどが報じており、無料プランでは使えません。Mac専用で、WindowsやスマートフォンのアプリにはOpenAIから提供の発表がありません。OpenAIのヘルプでは1セッションの上限を4時間としており、文字起こしの後に音声そのものは残らない扱いのため、聞き直したい会議は別に録音を残しておく必要があります。
使い分けの目安は、Macで参加するオンライン会議や会議室での打合せは録音モード、Windows中心の職場や外出先の商談は手元で録音してからファイルをアップロード、です。どちらの方法でも話者の取り違えや固有名詞の誤りは起こるため、決定事項と数字は人が確認してから共有する手順は変わりません。
| 方法 | 使える環境 | 向いている場面 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 音声ファイルのアップロード | 有料プラン(Web・アプリ) | 外出先の商談、ICレコーダーの録音 | 1ファイル512MBまで、長時間はタイムアウトの可能性 |
| 録音モード(Record) | 有料プランのmacOSデスクトップアプリ | Macで参加する会議をその場で記録 | 1セッション4時間まで、音声は残らない |
| 外部の文字起こしツール+ChatGPT | 無料プランでも可 | 無料で試したい、話者分離を重視したい | 2段階の作業になり、ツールごとの規約確認が必要 |
海外での初期反応は?
発表から日が浅く、実際に使った人の詳しい報告はまだ少ない段階です。Hacker Newsでは今回の機能についてまとまった議論が見当たらず、海外の解説記事も、公式ヘルプの注意書き(話者識別の不確かさ、言語による精度差、長時間録音のタイムアウト)を紹介する内容が中心でした。
正式対応の前に、別の経路でChatGPTに音声を処理させた海外の検証記事では、複数人の会話が話者の区別なく1つの文章にまとまり、手直しが必要だったという報告があります。文字起こしツールを販売する会社による検証なので割り引いて読む必要がありますが、話者の区別と長時間録音は、今回の機能でもまず確かめたい点です。
日本の中小企業の業務に置き換えると、社内の定例会議のように話者が少なく静かな録音から試し、複数人が同時に話す現場の打合せは、精度を確かめてから使うのが現実的です。話者を区別させたい場合は、録音の冒頭で参加者に名乗ってもらうなど、AIが判断しやすい材料を足す工夫も試す価値があります。
中小企業の業務で何が変わる?録音から議事録までの流れ
これまでChatGPTで議事録を作るには、録音を別の文字起こしツールでテキストにし、それをChatGPTに貼り付けて要約させる2段階の作業が必要でした。今回の対応で、スマートフォンのボイスメモで録ったM4Aファイルを添付し、「決定事項・宿題・期限を表にして」と指示するところまで1つの画面で済みます。
実際の支援現場でよくあるのは、議事録づくりが特定の担当者に偏り、会議のたびに30分から1時間を取られている状態です。録音を渡して下書きを作らせ、担当者は誤りの確認と固有名詞の修正だけを行う形にすると、作業の中身が「書く」から「直す」に変わります。
内容への質問ができる点も実務で効きます。たとえば「先方が価格について言及した部分は?」「納期の話はどう決まった?」と聞けば、長い録音を聞き直さずに該当箇所の要約を確認できます。商談の録音なら、先方の発言だけを抜き出して要望リストにまとめるといった使い方もでき、営業担当の報告書づくりの手間を減らせます。
- 社内会議: 録音を添付し、決定事項・担当者・期限の表を作成
- 商談: 先方の要望と懸念点を抜き出し、提案書の下書き材料にする
- 電話の折り返し確認: 録音から依頼内容と連絡先を要約
- 研修・説明会: 録音から社内向けの要点メモとQ&Aを作る
名古屋・東海の中小企業での使いどころ
自動車部品などの製造業が多い東海地方では、朝礼、品質会議、設備トラブルの振り返りのように、口頭で決まったことが記録に残りにくい場面が日常的にあります。品質会議の録音から「不具合の内容・原因の仮説・対策・担当・期限」を表にさせれば、報告書の下書きがそろいます。
建設業では現場での打合せ、物流業では荷主との条件確認、飲食・観光業では仕入れ先や取引先との商談が、録音の活用先になります。いずれも騒音や複数人の発言が混ざりやすいので、ICレコーダーやスマートフォンを話し手の近くに置くだけでも文字起こしの品質は変わります。
社外の人が参加する会議では、録音する前に相手の了解を取るのが前提です。取引先との商談を録音する場合は、冒頭で「議事録作成のために録音してよいか」と一言確認する運用を社内ルールに入れておくと、トラブルを防げます。社内会議でも、録音していることを参加者に伝えてから始めるのが基本です。
導入時の注意点:機密情報の扱いとプラン選び
最初に決めたいのは、どの録音をChatGPTに渡してよいかの線引きです。人事評価、未発表の価格、取引先の技術情報を含む会議は、渡す範囲を社内ルールで明確にしておく必要があります。個人向けのプランは設定によって会話内容がモデルの改善に使われる場合があり、「モデル改善に協力する」をオフにすると新しい会話は学習の対象外になるとOpenAIは案内しています。
会社として使うなら、BusinessやEnterpriseのようなワークスペース型のプランが候補になります。これらは既定で入力と出力を学習に使わない扱いとされています。社員が個人契約のPlusでそれぞれ使う形は管理者が利用状況を把握しにくいため、録音のような機密度の高いデータを扱う前にプランを見直すのが安全です。
会話を削除しても、ライブラリに保存されたファイルは残る場合があるとヘルプに記載されています。録音を消したいときは会話とファイルの両方を確認してください。料金は各プランの契約に含まれる形で、音声添付だけの追加料金は公式には示されていません。
ChatGPTで録音を議事録にする始め方
いきなり全社展開せず、1つの定例会議で2〜3回試し、精度と手直しの時間を測ってから広げるのが失敗の少ない進め方です。当社でもExcel集計・資料作成の自動化で月40時間削減した事例があり、効果が出たのは「何をAIに任せ、何を人が確認するか」を先に決めたケースでした。詳しくは事例ページで紹介しています。
議事録の型やルールづくり、社内での展開まで含めて相談したい場合は、当社のAI導入支援をご利用ください。拠点は名古屋・名駅にあり、愛知・名古屋の企業には対面で、そのほかの地域にはオンラインで、使える状態まで整える伴走を行っています。
- 有料プランでChatGPTにログインし、録音ファイルの形式と容量(512MB以内)を確認する
- 機密度の低い社内会議の録音を1本添付し、文字起こしを依頼する
- 「決定事項・担当者・期限を表にして」と指示し、議事録の下書きを作る
- 固有名詞・数字・話者の誤りを人が確認し、手直しにかかった時間を記録する
- 渡してよい録音の範囲と保存・削除のルールを決めてから対象会議を広げる
よくある質問
QChatGPTだけで会議の録音と議事録作成までできますか?
有料プランならできます。録音済みの音声ファイルをアップロードするか、macOS版デスクトップアプリの録音モードで会議をその場で記録すれば、文字起こしから要約・議事録の下書きまでChatGPTの中で完結します。無料プランは対象外で、話者や固有名詞の誤りは人が確認する前提です。
QChatGPTの音声ファイルアップロードは無料で使えますか?
使えません。OpenAIのヘルプでは、音声ファイルのアップロードはEnterpriseを含む有料の契約とワークスペースが対象で、無料プランでは現時点で利用できないと案内されています。地域やワークスペースの設定、アプリのバージョンによって使えるようになる時期が異なる場合もあります。
Q日本語の会議録音も文字起こしできますか?
日本語に限った発表はありませんが、言語によって精度に差が出る可能性があるとOpenAIは説明しています。固有名詞や専門用語、複数人が同時に話す部分は誤りが出やすいため、短い社内会議の録音で試し、手直しの量を確認してから業務に使うのが確実です。
Q長い会議の録音でもそのままアップロードできますか?
1ファイル512MBまでならアップロードできますが、録音時間の上限は示されていません。長い録音は分割して処理されることがあり、非常に長いものはタイムアウトする場合があるとされています。長時間の会議は、議題ごとに録音を分けておくとタイムアウトで止まるリスクを減らせます。
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